創業者紹介
ABOUT FOUNDER
風と光会長 辻 明彦
自然食への興味はヒッピーとの出会いから
辻明彦は大学卒業後、イタリアのタイプライターと計算機のメーカーに就職したものの、わずか1年で退職。食の世界への興味を押さえきれず、安定した生活を捨て、中華料理店での住込修行へと人生を方向転換しました。
修行を経た後25歳で「JAZZラーメン屋」を開店。一日中大好きなジャズを流す、異質で不思議なお店でした。そしてこの経験はその後の人生を決める重要な出来事に繋がります。
この店にはジャズ好き以外にもユニークな人々が集まり、ヒッピーの溜まり場にもなりました。 彼らがバイブルとしていた本が「Whole Earth Catalog」（邦題:地球の上に生きる）。この本は、植物の見分け方から一人で出産する方法まで、自給自足で生きていくための全てが書かれており、本質的に「自然との共存」が説かれていました。
化学調味料への疑問から新たな道へ
「Whole Earth Catalog」を読んだり、ヒッピーと一緒にいると、中華料理を作ることに矛盾を感じるようになりました。ふつふつと湧き上がってきた、化学調味料を多用する罪悪感と不自然さ。 陰陽学、有機農業、シュタイナー、自然食等の書籍を読むほどに、その気持ちは強まっていきました。
一大決心をし、当時数社しかなかった自然食品を扱う会社に電話をしました。「勉強したい、雇って欲しい」と願って、昭和48年に自然食品メーカーへ転職。 最初は自然食レストランを開店する目的の地ならしとして、3年間のつもりでしたが、知らぬ間に36年間に……。 最後は取締役商品部長から関連会社設立を経て退社。 そして『株式会社 風と光』を設立し、歩き始めました。
会社員時代の武勇伝は語るに楽し
辻を語る上で会社員時代の話は避けて通れません。 その中でも特にユニークなエピソードがこの2つ。
1. CM撮影に同行した際「モデルの人より食事を美味しそうに食べていた」という監督からのオファーで、急きょCMに出演することになりました。
2. 食用油の市場開拓を任された沖縄で、一から販促活動をすることに。沖縄の油の消費量は全国一位というデータから、「沖縄人はどこの地域よりも油の味を知っている」と判断し、作り立ての油を沖縄に送るよう手配しました。同時に「出前でチャンプルー」という料理番組も企画し、地元の名物番組を誕生させました。
親友の名はジーノ・ジロロモーニ
風と光を設立後も、さらに活動範囲・交友関係を広げていきました。中でもイタリア有機農業の先駆者であるイタリア人のジーノ・ジロロモーニ氏との出会いは、何物にも代えがたい宝物です。辻はジーノ氏の新聞記事をきっかけに、直接イタリアへ飛び面会を願い出ました。
しかし初対面は思いがけない方向へ。ジーノ氏へ必死に想いを伝えるつもりだったはずが、逆に彼から怒涛の質問攻めにあいました。そして出会ってわずか2時間で意気投合し、その日を境に友情が生まれました。
そしていつの間にかこんな会話をするように。 「私は、ジーノと一生の友人ですよね？」「いや、違うよ。僕らは天国へ行っても親友だ」。この言葉に胸が熱くなったのは言うまでもなく、ジーノ氏が亡くなった現在では、「人生の師」として、そして「天国で再会する親友」として、尊敬しています。
休日はお気楽なミュージシャン
仕事に没頭する日々を送ってきた辻ですが、実はミュージシャンとしての一面もあります。
学生時代からの趣味である音楽への想いは熱く、休日は『辻明彦&音気楽BAND』なるアマチュアのJAZZバンドを組み、ドラムを担当しています。「音気楽」を「おきらく」と読ませるウィットを音楽仲間と共有しつつ、長年音楽活動を続けています。CD制作や年に数回ジャズライブを開催したりしています。大学時代、工学部で「流体力学」を専攻した理由も、「ドラムの音の原理を知りたかったから」なんだとか。その頃の想いは色あせずに今の音楽活動に繋がっています。
また喜界島に惚れて、「オーガニックアイランド喜界島」「君がいる喜界島」を作詞作曲。動画編集もする多趣味な辻です。